わたしは料理が好きで、夫も料理人。
料理とは縁の深い人生です。
そんなわたしですが、数年前は料理がきらいになりそうになり、人生に悩んでいました。
毎日の料理が負担…本当によく分かります!!!
「女将」として夫のお店に立ちながら、
家でもごはんを作る日々…パンク寸前だったの!
2人でお店を切り盛りしていた当時はまったく余裕がなく、自分たちの食事はバタバタと済ましていました。買ってきた冷たいお弁当の出番も多く、そのたびに切ない気持ちが押し寄せます。
そんなときに救ってくれたのがこの本、「一汁一菜でよいという提案」です。
この本を読んで、ほっとできるごはんとお味噌汁がどれだけ尊いかに気付かされ、食卓に軸が生まれました。
肩の荷が下り、心地よく料理を楽しめているのはこの本のおかげです。
料理は毎日続くもの。
だからこそ、悩んだらまずこの本を読んでほしい!
一汁一菜で暮らしの軸ができると、日々にいいリズムが流れるようになっていきます。
「一汁一菜でよいという提案」土井善晴さん
今回ご紹介する本はこちら。
どんな本?
- 著者:土井善晴(どい・よしはる)さん
- 定価:1,500円+税
- 出版社:グラフィック社
- 初版年月日:2016年10月
- ページ数:190ページ
著者は大阪府出身の料理研究家、土井善晴さん。
テレビでの親しみやすい語り口も魅力ですよね!
わたしも関西出身なので、懐かしい気持ちになるよ。
この本の主題「一汁一菜」とは、ごはん、味噌汁、漬物を原点とする食事の型のこと。
どんなに忙しくても作ることができ、献立を考えることもない。そして飽きずに食べることができる。
「一汁一菜」というスタイルは単に和食のすすめではなく、「生き方」のひとつであることが、本書を読めば理解できます。
食事はすべてのはじまり。大切なことは、一日一日、自分自身の心の置き場、心地よい場所に帰ってくる暮らしのリズムをつくること。その柱となるのが、一汁一菜という食事のスタイル。合理的な米の扱いと炊き方、具だくさんの味噌汁。
版元ドットコム 紹介文より
この家庭料理への考え方が、多くの人に支持され20万部を突破するベストセラーに。文庫化もされています。
読んだいきさつ
この本を読んだのは2年前。
独立した夫とともに女将としてお店に立ちながらも、はちゃめちゃに悩んでいました!
作ることも食べることも大好きなのに、
ちゃんと向き合えない日々だったの。
- 余裕がなく、自分たちの食事がおざなりに。
- ごはんのことを考えるのがとにかく疲れる。
- 食の仕事をしているのに作れない…という葛藤。
がんばって作ってみても、お店の試作を食べなくちゃいけなかったりで、まあとにかく…
荒れちゃったのよね。
このままでは食がきらいになってしまう…ちょっとやばいかも!
そんなとき、手に取ったのがこの本でした。
「一汁一菜でよいという提案」を読んでみて
「一汁一菜でよいという提案」には、著者の飾らない日々の食卓が、写真で紹介されているのもポイントです。
一汁一菜のなかにも、季節感があったり意外な組み合わせがあったり。
バリエーションに富んでいて楽しいのはもちろん、見ているとほっとするから不思議!
具だくさん味噌汁に癒される~。
構成はこのようになっています。
- 今、なぜ一汁一菜か
- 暮らしの寸法
- 毎日の食事
- 作る人と食べる人
- おいしさの原点
- 和食を初期化する
- 一汁一菜からはじまる楽しみ
ここからはわたしが実践したことを交えながら、特に印象に残った部分をお伝えしていきますね!
①簡単なことを丁寧に
まずは「1.今、なぜ一汁一菜か」の「簡単なことを丁寧に」という章から。
以前のわたしは時間や心に余裕がないことで、食事作りがプレッシャーでしかありませんでした。
でも一汁一菜の食事を取り入れると、こういったストレスはなくなります。
これは実践して分かったのですが、
- 具だくさんお味噌汁の満足度が高い。
- 毎日の変化、季節の変化を感じられる。
- シンプルに素材を楽しめる。
- ラクになるが「手抜き」という後ろめたさがない。
簡単だからこそ、ひとつのことに対して丁寧に向き合えるんです!
簡単で10分ほどでできる調理でも、ちゃんと料理をしている実感があるし、満足度が高い。
素材を生かすには、シンプルに料理することがいちばんです。
「一汁一菜でよいという提案」(グラフィック社)土井善晴・著 23ページ
あれこれ手を加えなくても、ほっとできる味と時間が叶うよ。
これなんですよね。
忙しいときに必要なのは、凝った料理でも目新しいレシピでもなく、いつもの手仕事と安心できる味!
Twitterでも、あくまでも日常のひとコマとして飾らずに投稿しています。
ねえねえみんな。おはよ〜!
— まりな (@mari_coffeeroom) September 23, 2022
好きなお味噌汁の具は何かしら?
わたしはねー、オクラが急に
ランクを上げてきたんよね。
こんなとろんとろんになるの!?
おいしいんだけど😗❣️
オクラ、いいわ〜
今日もパワーーー💪💪#おうちごはん #朝ごはん pic.twitter.com/JIFNzP4Bt9
今朝はひときわ、
— まりな (@mari_coffeeroom) August 26, 2022
おばあちゃんみたいなごはん👵🤎
おはようございます!
ねえねえ、青じそ入りのお味噌汁、
食べたことある?
(朝から絡みたいやつ)
これめっちゃおいしくて🌱
手でちぎって入れるだけ、
頭にスーンていい香りが抜けるよ。
お試しあれ〜🙌
明日は休みだ!
今日を駆け抜けろーっ🏃♀️ pic.twitter.com/xwhVVBrKfO
一汁一菜という型のなかでも、変化があって面白いですよね。
時間にも気持ちにも少し余白ができると、暮らしのリズムがよくなっていきます。
②家庭料理はおいしくなくてもいい
つぎは「4.作る人と食べる人」の「家庭料理はおいしくなくてもいい」という章から。
これは少しだけ特殊な経験かもしれないのですが、夫婦2人でお店をしていたときのこと。
自分たちの食事に加えて、仕込み、営業、片付け。
頭の中は料理のことばかりよ!
料理人の妻として、女将として、おいしい料理を作らねばならない。
変なプレッシャーを背負ってしまったよ…
とはいえ、夫が作るのはプロの料理。わたしにできるのは家庭料理。
そこをごっちゃにしてしまったりして、「敵わない…」と嘆いたり。(ひどかった!)
そんなとき…
家庭料理が、いつもいつもご馳走である必要も、いつもいつもおいしい必要もないのです。
「一汁一菜でよいという提案」(グラフィック社)土井善晴・著 89ページ
この文章を読んでふわっと肩の力が抜けた感覚を、今でも覚えています。
背伸びして自分にできないことをやろうとして、勝手にギスギスと料理を作っていたなぁと。
できることだけ一生懸命やればいっか。
明るく開き直って作ってみた一汁一菜は、とてもおいしかったです。
③和食の型を取り戻す
さいごは、「6.和食を初期化する」の「和食の型を取り戻す」という章から。
昔ながらの日本らしい暮らしがほとんど残っていない今。
それでもこんな経験、ありますよね!
- 旅館の和室にほっとする。
- おばあちゃんの家の香りを懐かしむ。
- 畳の部屋でごろんとしたい。
一汁一菜の食事はこれに近い感覚で、毎日ほっと味わうことができます。
わが家は外食も好きだし、色んな料理を作るもの好きだけれども。
帰ってくる場所は和食だよ。
一汁一菜という和食の型は、わたしにっとって拠点です。
これがあるからこそ、気負わずより自由に料理を楽しめるようになりました。
「日本らしさ」を、一汁一菜という持続可能な和食のかたちとすることで、未来にも伝えられると信じるのです。
「一汁一菜でよいという提案」(グラフィック社)土井善晴・著 146ページ
例えばのはなし。
これは夫婦でもよく考えるのですが、海外の友人が日本に来るとなり、全力でおもてなししよう!という時。
どうやって日本らしさを体験してもらいたい?
わたしはまずおうちで、炊き立てのごはんとお味噌汁を食べてほしい♥
こんなふうに考えるようになりました。
料理との向き合い方に悩んで、パンク寸前だったのがウソみたい…
この本に出会えたことに感謝しています!!!
「一汁一菜でよいという提案」まとめ
今回は土井善晴さんの「一汁一菜でよいという提案」をご紹介しました。
- 食事作りのプレッシャーがなくなった。
- 簡単なことを丁寧にできる充実感がある。
- 家庭料理は気負わずに、できることだけ。
- ほっとする日本らしさを味わえる。
料理のことで悩んでいる最中に出会った本です。
その頃は楽しんで料理の発信をすることなんて想像できなかったので…本当によかった!
一汁一菜で暮らしのリズムができました♪
家族で共有するのもおすすめです。
誰が台所に立ってもいいですもんね!
書き終えるとおなかが空いてきました…
自分を労う気持ちで、作ってこようと思います♪
土井さんが「一汁一菜」という考えに至るまでには、さまざまな葛藤がありました。より深掘りしたい方は、こちらの本もおすすめです。
ではまたすぐに!
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