豪快で、大胆で、潔い。
「自由奔放クッキング」には、そんな料理たちが活き活きと書かれています。
「何でも食べたい、作ってみたい!」という著者・檀太郎さんの情熱が、わたしたちの生活にもパワーを与えてくれるよう。
料理や食材の楽しさが、ガツンと伝わってきますよ!
- 豪華食材や珍味がおもしろい。
- 家庭料理のコツが満載。
- おいしそうな、カラー写真がたっぷり。
- 日本各地から世界を歩く著者と共に、旅情も楽しめる。
30年以上前に出版された本というのが驚き。
まったく色褪せない魅力から、料理の楽しさや普遍性を再確認することができます。
読んですぐ、レシピを再現しちゃいました!
詳しくみていきましょう。
- 年間100冊読破を継続中。
- 読書は紙の本で楽しむのが好き。
- ブログでは暮らしや食にまつわる本を選書中。
「自由奔放クッキング」檀 太郎さん
今回ご紹介する本はこちら。
どんな本?
- 著者:檀太郎(だん・たろう)さん
- 出版社:新潮社
- 初版年月日:1987年8月
- ページ数:239ページ
東京都出身、エッセイストの檀太郎さん。グルメや旅に関するエッセイを数多く執筆されています。
お父さまは作家の檀一雄さん、奥さまはエッセイストの檀晴子さん。
みんな料理の本を書いてるの!
料理好きとしては、とても興味深い一家ですよね!
わたしは太郎さんの本を最初に読んだのですが、料理はもちろん文章もとても味わい深いんです。
そしてわたしは福岡在住。
著者が福岡県の能古島に住まれているということも、興味を持った理由のひとつです。
「自由奔放クッキング」を読んでみて
「自由奔放クッキング」は、文章がメインのエッセイでありながら写真もたっぷり。
家庭的な料理、旅先で出会った素材、そんな写真たちも見所です。
著者が料理を食べる姿も登場します。
食事の風景がたまらなくおいしそう!
大胆で男前な料理たちが、とても魅力的です。
内容は、大きく4つのカテゴリーで構成されています。
- 海の幸
- 山の幸
- 異国の幸
- 身近な幸
ここからはわたしが挑戦した再現レシピと合わせて、ご紹介していきます!
再現レシピ①腐乳(フールー)の野菜炒め
「異国の幸」カテゴリーの、「ボリビア国境の町、ガハラミリンの野菜炒め。」という章から。
写真の、白菜で作った野菜炒めが本当においしくて!
たぶん2人で白菜1玉いけるかも。
夫婦で絶賛しながら、秒で食べました。
南米大陸をさまよい歩いていたことがあるという著者。
その異国のエッセンスが、ふだんの料理にも発揮されています。
ガハラミリンはボリビアとブラジルの国境の町…だったそうですが、現在は調べても出てこなくなっていました。
この章では、ガハラミリンの中華レストランでの思い出が語られています。この思い出と共に書かれているのが、野菜炒めのレシピ。
用意するものは、腐乳、豆板醤、ゴマ油、ニンニク一片、それに白菜でもいい、空心菜でもいい。
「自由奔放クッキング」(新潮文庫)檀太郎・著 102ページ
白菜だけ買い足せばすぐ作れる!ということで。早速作りました。
あ、腐乳は家にあったんです。夫が料理人だと、変わった調味料が、あったりします。
豆腐を塩水中で発酵させた、中国の調味料です。
油を熱しニンニクの香りを立たせ、白菜を投入。
腐乳と豆板醤、仕上げにお醤油を少し。
これだけで、コクもありつつパクパク箸が止まらない、野菜炒めが完成です。
大胆だけど、本格的。
かっこいい料理でしょ。
もっとたっぷり作ればよかった…と少し後悔した1品です。
再現レシピ②豚肉を使った柳川鍋
こちらは「山の幸」カテゴリーの、「ドジョウにしても豚肉にしても柳川鍋にゴボウは欠かせない。」という章から。
「柳川鍋」は江戸生まれの鍋料理。
本来はドジョウ鍋なのですが、檀家で定着したのは豚肉を使った「柳川もどき」。
著者の義母の料理なのだそう。
一口食べた僕は、予想外の旨さにエビ反ってしまった。
「自由奔放クッキング」(新潮文庫)檀太郎・著 96ページ
そんな柳川もどき。
やや薄めのすき焼きのワリシタに、たっぷりのゴボウ、豚肉。仕上げに卵を流すというもの。
…おいしくないわけがない!
ゴボウのささがき、気合を入れてやりました!
(ピーラーは皮むきに少し使っただけ)
むしろこれが終わればしめたもの。
お出汁をとって醤油、砂糖、酒でワリシタを作り、具材が煮えたら完成です。
卵は余熱でふわっと火が通ればOK!
このままご飯の上に丼のように載せて食べてもおいしいし、おかずとして頂いてもまことにおいしい。
「自由奔放クッキング」(新潮文庫)檀太郎・著 97ページ
わが家はおかずとして堪能…の予定が
たまらず後半はオンザライス!
ついあれもこれもと入れたくなる鍋料理ですが、こんな潔さもすてきだなーと。
読み物として手に取った本だったので、こんなに実践したい料理が盛りだくさんとは…うれしい誤算です。
自由な発想で何でも作っちゃう著者から、料理の楽しみ、食べる楽しみを吸収してみてくださいね!
まとめ
今回は檀太郎さんの「自由奔放クッキング」をご紹介しました。
- 豪華食材や珍味がおもしろい。
- 家庭料理のコツが満載。
- おいしそうな、カラー写真がたっぷり。
- 日本各地から世界を歩く著者と共に、旅情も楽しめる。
料理も文章も、丸ごとおいしい1冊!
時代が少し進んで、当時より手に入りやすい食材や調味料も多くなってきたようです。
ならば、もっともっと自由に楽しまなければ☆
いつもとちがう味付けにチャレンジしたり、郷土料理や異国の味を再現したり。
すぐ食卓の定番に仲間入りするかも?そんな料理たちが詰まっています。(白菜炒めと柳川もどき、おいしかったです)
読んで作って食べる!この3点セットで、楽しんでもらいたい本です。
ではまたすぐに!
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