「なんだか疲れて、モヤモヤするなぁ…」
そんなときは、セルフケアの引き出しを開けるタイミング!自分を癒すための術は、いくら持っていても多すぎることはないですよね。
わたしの場合、よく頼りにしているのが「読書」。
疲れたときほど、本を欲しがちです。
言葉の持つ癒しのパワーは絶大だと思っています。
この記事で紹介する本は、ジェーン・スーさんの「おつかれ、今日の私。」。
ちょっとお疲れのときにこそ読みたい、セルフケア・エッセイです。
スーさんの実体験から紡がれる言葉たちには、寄り添ってくれる強さがあります。
- 自分の人生とリンクする場面が見つかる。
- 誰でも凹む日アリ。著者の等身大の生活に共感できる。
- 頑張りすぎちゃう人必見!
自分の機嫌は自分で取りたいけど、エネルギーもわいてこない。
…誰かに労われたい、言葉をかけてもらいたい!
そんなときにページを手繰ってみてください。
じっくりとこころに届く、やさしい言葉に出会えるよ。
詳しくみていきましょう。
- 読書年間100冊を継続中。
- 読書は紙の本で楽しむのが好き。
- ブログでは暮らしや食にまつわる本を選書中。
「おつかれ、今日の私。」の紹介
ご紹介する本はこちら。
どんな本?
著者 | タイトル | 定価 | 出版社 | 初版年月日 | ページ数 |
---|---|---|---|---|---|
ジェーン・スーさん | おつかれ、今日の私。 | 1,400円(+税) | マガジンハウス | 2022年12月 | 192ページ |
著者はジェーン・スーさん。
ラジオパーソナリティやコラムニストなど、幅広く活動されています。
- 「貴様いつまで女子でいるつもりだ問題」で第31回講談社エッセイ賞を受賞。
- 「生きるとか死ぬとか父親とか」は、吉田羊さんと國村隼さんのW主演でドラマ化。
「おつかれ、今日の私。」は、株式会社 中村のウェブ連載が書籍化された本。
「足リラシート」でおなじみの会社です。
コロナ禍という閉塞感の中スタートしたという、この連載。
スーさんの言葉で「とにかく、やさしさを持って書こうと決めた。」とあります。
読者としては、そのやさしさが随所に感じられる。
エピソードがどれも「自分のことかな!?」と錯覚するくらいリアルなので、そのやさしさがこころにダイレクトに届くんです。
読んだきっかけ
わたしがスーさんの著書を読むのは、「おつかれ、今日の私。」で5冊目。はじめてタイムリーに新刊を買いました。
発売が12月だったので、今年の自分おつかれ!という気持ちで読みました。
書籍だけでなく、わたしがここ数年でヘビーリスナーと化しているのが、Podcast番組『ジェーン・スーと堀井美香の「OVER THE SUN』。(すべての放送を2回聴いています☆)
要するに…かなりのファンですね。
このようにスーさんの文章や声の発信に触れてきたのは、アラサーのわたしにすこぶる効いたからなんです。
- 友人とライフスタイルの相違が出る時期だった。
- 夫婦間での仕事のバランスに悩んだ。
- 家族との死別という共通の経験をしている。
誰もが経験するであろう、生活の歪やブレのようなもの。
そういったものを溶きほぐしてくれるのが、わたしにとってはスーさんみたいな少し先を歩く人生の先輩なんですよね。
みんな通る道だと分かるだけで、悩みが軽くなる。
それに年を重ねるのも楽しそう!って思えるよ。
スーさんの発信で一貫しているのは、年齢やジェンダーに捉われない姿勢です。
「おつかれ、今日の私。」では、労いの言葉とともに新たな視界が開けるかも。
そう感じて読み始めた1冊です。
「おつかれ、今日の私。」を読んだ感想
ここからは、「おつかれ、今日の私。」を読んだ感想をお伝えしていきます。
この本は全48篇のエッセイ集。
登場人物やエピソードのバリエーションもさまざまです。
親近感のわく文章がきっと見つかるよ☆
わたしはスーさんの本をこれまでにも読んできて、ちょっと毒のある自虐を交えたユーモア、スピード感のある文章がとても好きになったんです。
今回の著書はちょっとちがった。
とことんやさしくて距離も近いので、初挑戦でも手に取りやすいと思いますよ。
それではいきましょう。
①過去の失敗を思い出したときに効く
「なんであのとき、あんなことを言ってしまったんだろう!」
まったく意図しないタイミングで、ふわっと過去の記憶が降りてくること、ありませんか。
自分のポンコツ具合、不甲斐なさに泣けてくる……
シャワー浴びてる時が多いのはなぜだ…
うおおおおおおぅ!って叫んでます。
「取返しのつかない失敗を乗り越える方法」
という章では、そんなときの対処法がスーさんの言葉で書かれています。
「もう消えてしまいたいっ!」という経験、誰にだってあるんですね。
観れば必ずブチ上がる映画も、大好きな音楽もだめ。ちょっとした隙間――場面転換の間や次の曲へ移るコンマ数秒のブランク――の暗闇に、ネガティブ場面がぼわっと浮かんでくる。ヒュッと息が止まり、私はまたギュッと目をつぶる。
「おつかれ、今日の私。」(マガジンハウス)ジェーン・スー著 23ページ
あ゛ーーー!
めっちゃ分かる。
ここから、自分ととことん付き合うスーさんなりの儀式へと、話が展開されていきます。
読者としては、あるあるを共有できるだけでも強く励まされる。
いつ過去の記憶が襲ってきても、「キタキター!」と言ってお迎えできそうです。
②加齢への恐れに効く
歳を重ねていくのが何となく不安だった、10代、20代。
それが30代になり、「愉快なおばさんになれたら本望だなー」と開き直れるようになりました。
というのも、先輩方が楽しそうだから。おばさん見習いとしては、そんな背中に勇気づけられるのです。
「おつかれ、若かった頃の私。」
という章の冒頭は、こんな文章で始まります。
四十代からの加齢って楽しい。予想外のことが、連続して起こるから。
「おつかれ、今日の私。」(マガジンハウス)ジェーン・スー著 54ページ
加齢にわくわくできたら最高よね☆
この章では、加齢による身体や気持ちの変化が語られています。
いろいろと「面倒くさい」。億劫になり苦しむことが増えたと同時に、執着が減りラクになった部分もあるそう。
思えばわたしの20代も、執着のかたまりだった気がします。
- (友人が結婚したから)結婚したい。
- (同僚が昇格したから)昇格したい。
とか。
それを糧に頑張れた一面はあるものの…
余計な執着やばくない?
いま楽しいのは、間違いなく「ま、いいか」のおかげだ。片時も目が離せないほどコントラストが強かった、過去の自分が見ていた景色なんて、所詮は執着がフィルターをかけていただけなのだと知った。あーよかった。そうわかっただけでもバンザイだ。
「おつかれ、今日の私。」(マガジンハウス)ジェーン・スー著 57ページ
この章の着地は、過去に頑張った自分への労い。
自分軸へとシフトチェンジしている30代、これから先どんな景色が見られるか楽しみになりました。
③頑張りすぎちゃう人に効く
責任感が強くて、ついつい頑張りすぎちゃう人。
そんな人にこの本を届けたいと思ったからこそ、感想を書いています。
「上手に休むのも能力だ」
「一度、ぜんぶ止めてみたらいいのよ」
この2章は繰り返し読んでほしいし、わたしも読むことになると思います。
エンジンがかかりっぱなしになったり、休むことに罪悪感を持ってしまいがちだから!
休み上手もトレーニング次第♪
余裕がないときって、自分が今どんな状態かなんて気付けないし、自分のことを後回しにしがち。
「つ、疲れた~」と声が漏れたあとも達成感が残るうちは大丈夫だけれど、虚しさが募るなら、それは休憩の合図。
「おつかれ、今日の私。」(マガジンハウス)ジェーン・スー著 69ページ
文章を読むだけで、ちょっと俯瞰できたりします。
発信を聴いていると、いつも多忙そうなスーさん。
この章では、ご自身の経験から自戒を込められた文章や、忙しすぎてバテてしまった周りの人々が登場します。
ちょっとくらい止まっても大丈夫。その言葉は説得力を持って響いてきます。
十分にチャージしたら、またランニングシューズを履いてトラックに戻ればいい。そのときは、休む前よりずっと楽しく頑張れるはずだから。
「おつかれ、今日の私。」(マガジンハウス)ジェーン・スー著 70ページ
自分が止まっても地球は微動だにしないからね!と思って休んじゃいましょ。
(わたしもよく言い聞かせてます)
ポンポンと背中さすりながら、語りかけてくれてる存在ってありがたい。
疲れたら「おつかれ、今日の私。」を手に、ご自愛してみては?
「おつかれ、今日の私。」まとめ
今回はジェーン・スーさんの「おつかれ、今日の私。」を紹介しました。
感想では3つのポイントをピックアップ。
- 過去の失敗を思い出したときに効く
- 加齢への恐れに効く
- 頑張りすぎちゃう人に効く
スーさんの労いの言葉が、あらゆる角度から届きます。
3~5ページほどの話がほとんどなので、
- 寝る前に1話ずつ読んでセルフケア。
- 気持ちがざわざわしたときに、パッと開いた箇所を読む。
こんな読み方もおすすめです。
わたしも、セルフケアの引き出しに忍ばせておこうと思います。
スーさんが雑誌でおすすめしていた本も読みました。この本からは、メラメラしたパワーをもらえます。
ではまたすぐに!
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