外で読書をしていて、「困ったー!」という経験はありませんか?
いかん!笑いが止まらん!
でもいいんです。外でニヤニヤしちゃっても。
今回は、げらげら笑って元気が出るおもしろエッセイを紹介します。
思わず笑ってしまうのも、著者の観察眼と表現力の賜物。
とてもいい刺激になりますよ。
ぜひ最後までご覧ください♪
①「もものかんづめ」さくらももこ
まずご紹介するのは、さくらももこさんの「もものかんづめ」。
著者/さくらももこさん
1965年ー2018年。漫画家、エッセイスト、作詞家、脚本家。代表作はコミック「ちびまる子ちゃん」。初期エッセイ3部作「もものかんづめ」・「さるのこしかけ」・「たいのおかしら」はいずれもミリオンセラーを記録。
読んだいきさつ
テレビアニメでおなじみの「ちびまる子ちゃん」。
・・・ん?なんか髪型似てない?
コミックは読んだことがなかったのですが、何気なく読んだエッセイがおもしろすぎて虜に。(随分と大人になってからです)
調べてみると、初エッセイを含む初期エッセイ3部作が存在するという。これは読破しなければという流れ。
今回紹介する「もものかんづめ」(著者初のエッセイ)、そして「さるのこしかけ」、「たいのおかしら」が初期エッセイ3部作となっています。
読んでみて
この本は、ガマンをしても「んふッ」と声が出るくらいおもしろいので、ゲラゲラ笑える環境で読むのがオススメ。
毒あり自虐あり、でも家族のエピソードでは少しほっこり。
アニメとはまたひと味違った、辛辣な会話や絶妙な比喩表現が笑いのツボに入ってくるのです。
16歳の夏に水虫に冒されてしまったという著者。その感染のウワサは1分で家族全員に伝播します。
姉は急に冷酷極まりないナチの司令官の様な顔になり、トイレのスリッパは使うなとか、部屋を裸足で歩くなとか、数々のオキテを数十秒のうちにつくりあげ公布した。
「もものかんづめ」(集英社文庫)10ページ/さくらももこ
しかしある日、その水虫が姉にも移ってしまう。
これで「オキテ公布」の場面がさらに面白みを増すのです・・・んふっ
著者の手にかかると、どうしようもなくくだらない物事ほど、おもしろくなる。
元気のない友達に何か1冊進呈するなら、この「もものかんづめ」を渡したいと常々思っています
休日にゴロンとしながら読むと最高、充電されますよ。
3部作でぜひ、おすすめです。
②「ワタシは最高にツイている」小林聡美
つぎは、小林聡美さんの「ワタシは最高にツイている」。
著者/小林聡美さん
1965年生まれ。女優、エッセイスト。ドラマ「やっぱり猫が好き」で個性派女優として人気に。主な出演作に映画「かもめ食堂」、「めがね」などがある。
読んだいきさつ
映画は詳しくないしほぼ観ないのですが、「かもめ食堂」(2006年公開)は好きな映画です。原作は群ようこさんの小説。
小説を読んで、映画を観て、気になった人の著書があれば読んでみるのがわたしの性分です。
映画「かもめ食堂」に出演されていた小林聡美さん、片桐はいりさん、もたいまさこさん。
気付けば全員のエッセイを読んでいました。
おもしろいです。
読んでみて
このエッセイは、著者の大殺界「人生の冬の時期」の3年間に書き溜めたというもの。
しかしそんな冬っぽさ(?)は皆無。「ワタシは最高にツイている」というタイトル通り、著者のエネルギッシュな日常が綴られています。
日常をおもしろがり、それを届けようとするパワーがその文体からひしひしと感じられて、とても好きな作品です。
ある日、免許証の更新のため小綺麗にして写真撮影に臨んだ著者。帰りに恐る恐る免許証を見てみると・・・
「うえぇぇぇぇっ!」
「ワタシは最高にツイている」(幻冬舎文庫)91ページ/小林聡美
黒いシンプルなTシャツも、あくまでも健康そうなメイクも、すべてが裏目に出ていた。その免許証には、地元のスナックで夜な夜なビールを飲んでクダをまいていそうな、気さくそうなおばちゃんが、爽やかを装って写っておりました・・・・・・(涙)。
永遠の免許証写真問題。
分かる分かるー!のおもしろさ。
女優さんならではの、撮影裏話も楽しい。
別世界の人のはずなのに親しみやすさ全開。読み終わると、パワーをもらえること間違いなしです!
③「ミッキーかしまし」西加奈子
さいごは、西加奈子さんの「ミッキーかしまし」。
読んだいきさつ
西加奈子さんとの出会いは小説「さくら」でした。
スタバで1日中読んで物語にどっぷり浸かり、その後2日くらいぼーっとしていたのが思い出。
「サラバ!」は上・中・下の3巻・・・なかなか手が出せずにいた時間がもったいなかった!と少し後悔。持てる限りの時間を、全て注ぎ込んで一気に読みました。
わたしも関西で育ったからか、西さんの文章から懐かしい温度を感じるのです。
エッセイも絶対おもしろいやろ!と手に取りました。
読んでみて
このエッセイから垣間見える、西さんがとにかく愉快すぎる!
仔細な人間観察があってこその文章なのですが、ツッコミありおせっかいありで自由奔放。
わたしが特に好きなのは、「人のカゴん中」というエッセイ。深夜のスーパーで繰り広げられる、人のカゴの中観察大会。
これはわたしも、趣味ですね♪(小声)
若くて色白で可愛い女の子のカゴに「ミートスパゲッティと、煮こごり」が入っているのを発見した著者。ここから2ページにわたる妄想が始まります。
だめ、おかしい。
「ミッキーかしまし」(筑摩書房)46ページ/西加奈子
そこはポテトサラダとか、コールスローだとか、なんだったらプリンだとかにしてほしかった。煮こごり、て。ミートソースの味に、重ねてダシ?挙句固まって?もしかして煮こごりが主役?パスタは箸休め?フォークでは?
マシンガン妄想に笑いが止まらん!
こんな人が近くに居たらおもしろいだろうなー!と思ってしまう、人間味溢れるエッセイ。西さんを取り巻く人間模様も魅力的ですよ!
まとめ
今回は、笑って元気が出るおもしろエッセイを3冊ご紹介しました!
- 「もものかんづめ」さくらももこ
- 「ワタシは最高にツイている」小林聡美
- 「ミッキーかしまし」西加奈子
テンポよく読めて、リフレッシュにぴったり。
どの本も、おもしろい光景が目の前に浮かんでくるような文章です。
友達と話してゲラゲラ笑ったような読後感を、ぜひ味わってみてください。
ではまたすぐに!
コメント
記事を読ませていただきました。
エッセイ3冊、どれも面白そうですね!
今度読んでみようかと思います。
またオススメがあれば教えて下さい。
みけねこさん。記事を読んでいただき、ありがとうございます!どれも笑いのセンスたっぷりの、魅力溢れるエッセイです。まだまだ紹介したい本がたくさんあるので、いただいたお言葉を励みに頑張りたいと思います。